
高度成長期のオイルショックをきっかけに新築住宅政策の中で「省エネルギー性能」が盛り込まれるようになり現在では当たり前の品質となってきました。しかし住まいの省エネルギー化は技術レベルが高度になってきたことと新築住宅着工件数が減ってきたことでその普及は頭打ち状態です。
代わって新たに生まれてきた発想がエネルギーを創出するという考え方です。既存技術である太陽光発電に加え、燃料電池、風力発電などの技術も住宅レベルにまで広がり、住まいの将来像も、エネルギーを節約しながら暮らすのではなく、自給したエネルギーを大切に使うという考えが生まれてきました。
エネルギーを自給できる技術を搭載した「創エネルギーの住まい」で、これからの住まい像を描いていこうとする活動がエス・バイ・エルの「CO2ゼロ宣言」です。
どのような産業でも、あるいは私たちの暮らしでも何かをすれば必ずCO2が排出されます。一方、自然の樹木や海水などはCO2を吸収する能力があります。地球温暖化が問題視されているのは、産業が発展し、人々の暮らしも豊かになり、そのバランスが崩れ急激に排出量が多くなってきているからです。
住まいづくりにおいても同様で、住まいを建築するということは調達する建材・資材を製造する際やその輸送時にCO2を排出し、建設現場から出る廃材の処理の際にもCO2を排出します。また私たち日本の住宅平均寿命が欧米諸国と比較しても短く(資料)、解体廃棄が頻繁に繰り返され、その際に排出されるCO2の量も多くなっていることも事実です。しかし「創エネルギーの住まい」の場合は創出したエネルギーはCO2排出を抑制したことになり、建築に使用する木材を植林木で賄うと成長期に吸収したCO2を蓄え抑制したことになります。
住まいの一生涯CO2±0という考え方は、私たちの暮らしに欠かせない衣食住のひとつの住まいが建材・資材としてつくられ、建築され、居住されやがて解体廃棄される一生涯を通して地球環境のバランスを崩さない理想的な考え方です。
エス・バイ・エルでは日本の気候風土に最適な耐久性を備えた木質パネルで住まいを供給しています。エス・バイ・エルの平均的な住まい1棟に占める木材重量比(基礎を除く)は鉄骨造やRC造に比べて高く資材のCO2排出量が少ないうえに、木材は北米の植林材で賄っておりCO2抑制効果もあります。
全く同じ規模の住まいで、30年で解体廃棄されるものと60年で解体廃棄されるものは資材調達、輸送、工場生産、現場生産、居住、廃棄のどれをとってもCO2排出量は同じになりますが、時間軸を加えると30年で解体廃棄される住まいは60年で解体廃棄される住まいの2倍のCO2を排出することになります。ここに時間軸という考え方が必要だということで、CO2排出量抑制には住まいの長寿命化も重要なファクターなのです。
調達、物流、生産、施工におけるCO2排出量、居住によるCO2排出量、解体廃棄によるCO2排出量、使用する木材量に伴うCO2抑制量、創エネルギー住宅が創出するエネルギーによる抑制量を基本ファクターとし、長期優良住宅の目安である100年経過時点での排出量・抑制量のバランスを算出できるようにしたものが『CO2ゼロプログラム』です。
現在の技術で建築可能な「創エネルギーの住まい」(木質パネル構造、延面積130m2、次世代省エネ対応、太陽光発電6.2kw搭載オール電化仕様)では、樹齢30年の杉が1年間に吸収できるCO2抑制量の71本分が不足しています。
『CO2ゼロプログラム』は、CO2排出量・抑制量のバランスを杉の本数に置き換えて3年後の目標値までの過程を見える化したものです。

創出するエネルギーによる抑制量のファクターの貢献度が非常に高く、実現に向けての具体策は各過程ごとに取り組みますが、いかにエネルギー消費の少ない暮らしが実現できる技術開発をするかということが最も重要な要素になります。

