オーナーさまを訪ねて 家族の住まい物語 築35年 トップページへ戻る

無理ばかり言ったけど、できあがった時、「よくなりましたね!」現場監督が一緒に喜んでくれた。

アメリカでの生活経験があるご主人が、アイデアを思う存分カタチにした住まい。1976年竣工 京都府・K氏邸
この住まいのレイアウトは、ご主人自らの手によるものだ。いや、間取りだけではない。他にもご自分でいろいろアイデアを出された。「けっこう無茶を言いました」とご主人。たとえば、壁の中に断熱材をたくさん入れた。現場監督に、「こりゃ北海道仕様ですよ」と言われたという。「でも、今ではもう常識になってるよね。そうしたおかげで空調の効きがいいし、オーディオを聴く時も遮音効果がある。思わぬ余得があったね」と笑われる。そんなアイデアの最たるものが、キッチンの壁。「神戸のとある一流ホテルの厨房に使われていたのと同じタイルを張ったんですよ」。
奥さまがおっしゃる。「それは外壁用のタイルでね。大工さんが“普通はこんなことしませんよ”と言うんですよ。でも、このタイルで良かった。汚れが目立ちにくいし、35 年経っても、ほら、ヒビひとつ入っていないでしょ」。ご自身の自由なアイデアをカタチにした住まいだけに、ご夫妻の愛着はとても深い。「屋根と外壁と床はリフォームしたけど、それ以外はほとんどさわってないんだ」。ご主人が少し得意げにそうおっしゃった。
外壁用タイル張りのキッチン。大きめのレンジフードと相まって、まさに本格レストラン厨房の風情。
「柱のないベランダ」は、当時まだ珍しかった。
ウッディな内装が、ほどよい重厚感と落ち着きを醸し出す。